◆2000年新チームスタートにあたって
──新チームがスタートして1ヶ月が経ちました。新チームの雰囲気はいかがですか。
「99秋季リーグ戦の10連敗で、選手たちに『このままではいけない』という危機感がある。練習も酒井主将ら(野球部)新4年生がリーダシップをとってトレーニングを中心に、体力アップに重点を置いてやっている。」
──選手からのメールで、かなりの危機感をもって練習に取り組んでいることはよく分かります。実際こうして練習を見ていても伝わってきます。
「遠回りのようだが、2000年の春季リーグ戦を勝つには体力アップが必要。この点では自分と選手の考えが一致している。選手自ら、やりたいバッティングを減らしてまでも、トレーニングやランニングに時間をかけている。内容や取り組みもいい。まだ始まったばかりだが、一生懸命だ。このまま継続してほしい。成果は必ず出る。」
――主力の遠藤、丹羽、須貝、仲戸川らが卒業しますが。
「卒業は学生スポーツだから仕方ない。1年1年新しいチームを作りあげ、見てもらうのが学生スポーツの魅力。投手力では、遠藤の分は危機感をもって投手全員でカバーする。それにリーグ戦は一人では勝てない。野手を含めた総合力をレベルアップしたい。これまで遠藤や丹羽に頼っていた部分があったかもしれない。今度は全員が頑張らないと。」
──ウェイトトレーニングやランニングなどのメニューは選手が決めているのですか。
「これまでも4年生がそれぞれの強化グループリーダを決め、監督はその各グループリーダと相談する。基本的に選手の自主性に任せてやってきた。このシステムが機能するとき、うまく機能しないときがあったが、選手も分かっている。大切なのは”その後”であり、何が悪かったか、どうしたらうまくいくかを考え、実践することが大事だ。今は責任感をもってしっかりやっている。リーグが始まっても、このシステムを継続してほしい。この点では、試合に出る、出ないは関係なく全員が戦力だ。」
──三角監督も就任4年目を迎え、監督になられたときの1年生が最上級生になりますね。
「あまり自分では意識はしていない。選手には思うところがあるかもしれない。」
──期待の選手となると、冬のあいだの成長をみて、ということになりますか。
「個々の力がないと、目標であるリーグ戦優勝も”絵に描いた餅”になる。酒井、児玉ら野手は残っているので、彼ら個人個人が他大の選手に引けをとらない力をつけなけれらばならない。秋季リーグ戦のチーム打率、防御率などすべての数値が最下位、これでは戦えない。」
──児玉2本、須貝1本とホームランは出ましたが。
「確かに他大学でも量産した選手はいないが、各大学ともチーム本塁打数はうちより上。防御率も悪かった。バッテリーだけが悪いだけでなく、記録に現れないエラーによる失点も多かった。足と肩を含めた守備はごまかせない。確かに試合は打力や得点力で決まるが、リーグ戦レベルを満たすディフェンスがないと”勝負”にまでいかない。試合ではたまたま打つときもあるし、ある意味、錯覚してしまうこともある。
ディフェンスをレベルアップするためには、足、肩など土台をしっかり作らなければならないし、それが打撃にも効いてくる。六大学のパワー、スピードに追いつくように鍛えれば、打撃もよくなるはずだから。」
──冬のトレーニングは単調になるし、個人で継続できるか、もポイントですね。
「オフのあいだのすごし方も大事。せっかく今頑張っているのに、戻ったら同じだからね。とにかく、どんなことでも3ヶ月続けないと成果はでない。3ヶ月やれば、どんな形でもいい答えが出る。あきらめないで継続してほしい。基礎をしっかり作り、技術へ移行したい。」
──いろいろな話題で東大野球部に注目が集まっています。
「たまたま、シーズンが終わってから遠藤、竹本、加治佐のことで話題が多いが、来季はシーズン中に話題を提供したい。(日本人女性として初登板した)竹本のことで注目を浴びた新人戦は、浅岡の好投もあり、勝ったし、よかった。注目する中でプレーをすることは選手の励みになるし、好結果につながる。」
──ところで、竹本の話題となると次はリーグ戦登板ということになりますね。
「左投手は阪口(新3年)しかいないし、実際球もいい。可能性は十分あるよ。」
──最後に一言お願いします。
「2000年春季リーグ戦でいい話題を提供できるよう、今は部員全員が一生懸命に練習している。ぜひ期待していてほしい。」
――ありがとうございました。
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