100周年連載企画〜東大野球部の今昔〜
【第12回】 井坂 肇 2014(平成26年)年卒 投手 日比谷高
――野球部に入部した経緯を教えてください。
小学生の頃から父に連れられて神宮球場で六大学野球を観戦していました。その時から東大で野球をするという想いはありました。そして高校野球が終わった段階で、本格的に受験勉強に力を入れて、東大合格を目指しました。
――当時のチームの雰囲気はいかがでしたか。
高校での野球部に比べて自由な雰囲気で練習しているなと感じました。学生コーチや選手が中心の運営で、独特だなと思いました。選手同士の考えで練習を行っていましたが、もう少し厳しい雰囲気で練習しても良いのではないかとは思いました。
――思い出に残っている試合を教えてください。
印象に残っているのは1年の秋の初登板と最終戦です。初登板の時は緊張と興奮でいっぱいでした。ビハインドの展開でしたが、自分の球速表示に少し球場がざわついたのを覚えています。抑えることができてほっとしたことも覚えています。最終戦は、当時主将だった前田さん(平成23年卒・栄光学園高)が投げている姿がかっこよくて、自分が4年生になった時にこういう姿を見せることができるようになりたいと思いました。
――大学卒業後も野球を続けようと思ったのはいつですか。
東大からプロ野球選手になるというのが自分の夢でしたので、入部した時から卒業後も野球を続けたいと思っていました。しかし思うように結果が残せずに進路で悩んでいるときに、OBの遠藤さん(平成12年卒・筑波大附高)から独立リーグの話をお聞きして、その道に進むことを決断しました。
――独立リーグと大学野球との違いは感じられましたか。
一番の違いは、独立リーグは職業なので野球がやりたいから出来るというわけではなくなるということです。部活動ではよほどのことがない限り退部勧告を受けることはないと思いますが、職業野球では球団の求める人材でなければすぐクビになってしまうので、早く結果を残さなければいけないということですね。
――独立リーグ時代の目標はありましたか。
また、達成することはできましたか。
僕の目標はNPB入団でしたので、その目標は達成することはできませんでした。周りにいた、NPBに入団した選手との違いも実感しました。
――独立リーグでのやりがいを教えてください。
元NPBの選手の話や指導を直接聞いたり受けたりできることがとてもありがたいです。また、独立リーグは野球を通じた地域貢献も目標としているので、野球を通じて地域の方と触れ合いながら、地域を活性化していこうという取り組みができることは魅力の一つだと思います。
――引退後、現在の取り組みについて教えてください。
野球の指導者を目指しています。指導者としては大学野球や高校野球と種類は問いませんが、高校野球の指導者もできるように、今は教員免許取得に向けて通信制の大学に通って勉強をしています。
――今後の目標を教えてください。
東大野球部の監督になって六大学で優勝することが目標です。そのために改めて、指導者の立場として野球の勉強をしています。OBとして東大野球部に貢献したいと思っています。
――今の東大野球部に向けて一言お願いします。
リーグ戦では目の前の試合の1勝に集中して取り組んでほしいと思っています。神宮という大舞台でプレーできる喜びを実感しながら大切にしてほしいと思います。応援しています!
井坂 肇(いさか はじめ)プロフィール
○経歴
1990年 東京都世田谷区生まれ
2010年 東京大学理科Ⅱ類入学
2012年 農学部生物環境工学に進学
2014年 独立リーグ信濃グランセローズ入団
2016年 高知ファイティングドッグス入団