東大球場
2019/03/11
文化庁登録有形文化財登録
東大球場が文化庁登録有形文化財(建造物)に登録されることが平成22年9月10日付の官報で公告されました。登録の詳細については以下の通りです。
登録対象建物 | :東京大学野球場観覧席・ダッグアウト及びフェンス |
観覧席の構造 | :鉄筋コンクリート造、3階建 |
建設年代 | :1937年(竣工式 昭和12年10月26日) |
東大球場は、東京大学安田講堂の設計で著名な内田祥三(よしかず)氏(のちの東大総長)が営繕課長の立場で、震災復興事業として東京大学の多くの施設の建設を主導されていた時に、営繕課によって建設されたものです。
バックネット裏に設けられた更衣室等に利用する建造物とその屋根を利用して設けられた観覧席(600人収容)は、当時としては東京六大学随一の設備でした。
特に、当時の野球場としては観覧席に屋根をつけること自体珍しく、バックネット裏の観客席につけられた半円型状の屋根を鉄筋コンクリート造のアーチ構造によって支えるという、当時としては先端的なモダンデザインとなっています。
ゴシック様式の建築家として知られる内田祥三氏の建築思想を理解するうえでも、震災復興期の鉄筋コンクリート造によるアーチ構造のモダンデザインの例としても貴重な建造物です。東京大学の建造物としては10件目の、野球場施設としては全国初の登録です。